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表と裏、誰かとあたし、家族と孤独、理由も意味もいらねえ、どこにもないこと、誰も見たことがないこと、精神に作用する衣服、体と金属の関係、ハートマークは誰が作ったの、ピースマークの書き順が分からないこと、扇動、理由はゴミ箱へどうぞ、クソみてえな大人、昼のコーヒーの大したことない味に支えられるあたし
思い出は刃物
「自死の予感がするのよ」
「このままだと、私、思い出に殺されるわ」
「本当は綺麗なまま取っておきたいのだけど」
「綺麗なままだと死んじゃいそうだから」
「汚すしかないわ」
「どうして私は」
「そうでもしないと生きられなかったあの時の自分のことは忘れて」
「自分のことを正当化するんだろう」
「まったく、ろくなもんじゃないわ」
「正しいことは楽だけど、一個も楽しくないわ」
「傷がある人のことを美しいと思うのに」
「自分だけは絶対に傷つきたくないのね」
「後悔ですら自分のものなのに」
「思い出を汚すのはいつだって自分なのに」
「あの時の真実とは違うのに」
「誰かのせいにしないと生きられないわ」